
- 正社員には「自分を鍛える環境」がある
- 「好きな仕事」だけで将来は決まらない
- 今の会社は「未来への準備期間」かもしれない
- 僕も「こんな会社、辞めてやる」と思っていた
- あの頃の自分に問いかけたい
- だからといって「会社を辞めるな」ではない
- 今いる場所から、何を持っていくか
- モヤモヤしたら、まず紙に書いてみる
正直に言うと、僕は今の会社員、特に正社員として働いている皆さんを、少しうらやましく思うことがあります。
もちろん、会社員には会社員なりの大変さがあります。
人間関係に悩むこともある。
ノルマに追われることもある。
上司の考え方に納得できないこともある。
「この仕事を続けていていいのだろうか」とモヤモヤする日もあるでしょう。
僕自身、会社員だった頃には、そんな不満をたくさん抱えていました。
だから、「会社員は恵まれているのだから我慢すればいい」と言いたいわけではありません。
むしろ、会社員を辞めた今だからこそ、当時の僕には見えていなかったものが見えるようになりました。
正社員には「自分を鍛える環境」がある
毎月、給料が振り込まれる。
有給休暇がある。
会社によっては育児休暇などの制度もある。
福利厚生があり、老後に向けた資産形成を支援する会社もあります。
最近では、副業を認める企業も増えています。
こうしてあらためて考えてみると、会社員という働き方には、一つの大きな特徴があります。
それは、
一定の生活基盤を持ちながら、自分の能力を磨くことができる
ということです。
仕事をしながら、財務を学ぶこともできる。
経営管理を学ぶこともできる。
戦略、人事、製造、流通、マーケティング、営業、企画書や提案書のつくり方を身につけることもできます。
しかも多くの場合、それを実際の仕事を通じて経験できます。
考えてみれば、これはなかなか得難い環境です。
会社という場所は、給料をもらう場所であると同時に、自分の技能を磨く場所でもあるのではないでしょうか。
「好きな仕事」だけで将来は決まらない
ダイヤモンド・オンラインの記事
「『好きなことを仕事にしたい』若者への豊田章男の回答が正論すぎて、ぐうの音も出なかった」
を読みました。
そこでは、仕事を考えるうえで、「好きか嫌いか」だけでは足りないという趣旨の指摘がされています。
それほど興味がなかった仕事でも、腕が上がり、自分で判断できる範囲が広がり、周囲から頼られるようになれば、面白くなってくることがあります。
反対に、好きで始めた仕事でも、低い報酬や長時間労働によって生活そのものが苦しくなれば、続けることは難しくなります。
つまり大切なのは、
何という職業に就くかだけではなく、その仕事を通じて何を身につけ、どのように働いていくのか
ということなのでしょう。
僕はこの考え方にとても共感しました。
今の会社は「未来への準備期間」かもしれない
そう考えると、正社員として働いている時間の見え方も少し変わってきます。
今の会社に一生勤め続ける必要はありません。
将来、独立するかもしれない。
転職するかもしれない。
会社の中で重要な仕事を任されるようになるかもしれない。
まったく違うキャリアを選ぶかもしれません。
どの道を選ぶにしても、今の仕事で身につけたものは、未来の自分の材料になります。
だったら、
「この会社が自分に何をしてくれるのか」
だけではなく、
「この会社にいる間に、自分は何を身につけられるだろう」
と考えてみてもいいのではないでしょうか。
仕事の景色が少し変わるかもしれません。
僕も「こんな会社、辞めてやる」と思っていた
もっとも、これは今だから言えることです。
会社員だった頃の僕は、そんなふうには考えられませんでした。
「こんな会社、辞めてやる」
そんな気持ちになったこともあります。
そして実際に会社を辞めました。
理由は一つではありません。
上司や同僚との人間関係をうまくやり過ごせなくなった。
仕事で思うような成果を出せず、苦しくなった。
トップや役員の経営戦略に疑問を持った。
新しい転職先が、とても輝いて見えた。
そして、
「自分一人でも仕事を取っていける」
そんな気持ちも、どこかにありました。
今振り返れば、ずいぶん勢いのある考え方だったと思います。
あの頃の自分に問いかけたい
もし今、当時の自分に会えるなら、いくつか質問したいことがあります。
「それは、本当に辞めなければ解決できない問題なのか?」
「感情が先に走っていないか?」
「自分を正当化しすぎていないか?」
「今の会社で、まだ学べることは残っていないか?」
そして、もう一つ。
「今まで築いてきた実績や人脈を、全部自分の力だと思っていないか?」
会社にいると、自分の実力で仕事ができているような気持ちになることがあります。
しかし、会社の看板がある。
上司や同僚がいる。
取引先との長年の関係がある。
会社が積み上げてきた信用がある。
その土台の上で、自分の仕事が成り立っていることも少なくありません。
会社を離れて初めて、そのことに気づく場合があります。
僕も、その一人でした。
だからといって「会社を辞めるな」ではない
誤解してほしくないことがあります。
僕は、
「つらくても会社にしがみつけ」
と言いたいわけではありません。
心や体を壊してまで働く必要はありません。
環境を変えた方がよい場合もあります。
転職することで道が開ける人もいます。
独立した方が力を発揮できる人もいるでしょう。
だから問題は、
辞めるか、辞めないか
だけではないのだと思います。
その前に、
今、自分は何に悩んでいるのか。
ここで何を得られるのか。
次にどこへ向かいたいのか。
それを一度、落ち着いて考えてみることです。
今いる場所から、何を持っていくか
会社への不満ばかりに目が向いているとき、人はどうしても「ここではない場所」を輝いて見てしまいます。
僕もそうでした。
でも今なら思います。
未来を考えるなら、
「ここから逃げたい」
だけではなく、
「ここから何を持って未来へ行くのか」
を考えてみてもよかったのではないか、と。
営業力なのか。
企画力なのか。
数字を見る力なのか。
人を動かす力なのか。
専門技能なのか。
仕事の進め方なのか。
小さなものでも構いません。
今の仕事を、未来の自分をつくる材料として見直してみる。
そうすると、昨日まで嫌だった仕事の中にも、「もう少し極めてみよう」と思えるものが見つかるかもしれません。
モヤモヤしたら、まず紙に書いてみる
もし今、
「この会社にいていいのだろうか」
「辞めたい。でも、その先も見えない」
「自分が何をしたいのかわからない」
そんなモヤモヤを抱えているなら、すぐに答えを出さなくてもいいと思います。
頭の中だけで考えていると、同じ考えがぐるぐる回ってしまいます。
紙を一枚出して、
「今、何が嫌なのか」
「今の仕事から何を学べるのか」
「これから、どうなりたいのか」
を書いてみてください。
そして、その中から一つだけ、
今週15分でできること
を決めてみる。
転職サイトを見ることかもしれません。
上司に相談することかもしれません。
仕事に必要な知識を一つ勉強することかもしれません。
大きな決断をする前に、小さく自分を動かしてみる。
このブログで紹介している「紙1枚」のキャリアデザインも、そのための方法です。
僕が会社員だったあの頃に戻れるなら、自分自身にも一度やらせてみたいと思っています。
もしかすると、会社を辞めるという結論は変わらなかったかもしれません。
それでも、
「嫌だから辞める」のではなく、「次へ進むために辞める」
という選択はできたのではないか。
今は、そんなふうに思っています。